画面に水滴

カメラのレンズ、あるいは窓ガラスに当たる水滴の表現です。
Adobe AfterEffects CS4、Trapcode Particular2.0を使用しました。
このページではAEPデータの配布と簡単な解説を行っています。

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前置き

Particularが無いと何をやっているかがまったく分からないと思います。
Particularについては、体験版を導入すればデータの作成などが普通に可能なので、興味がある人はひとまず体験版から導入してみてはどうでしょう。機能や期間の制限はありませんが、描画時に赤いバツが入ります。後から正規版を購入すれば、体験版で作成したデータもレンダリング可能です。
ちなみに、円高傾向なので本家サイトからドル買いするとずいぶんお得です。どうせDL販売なので。



全体の構成

全体の構成としては、
1)水滴のテクスチャを作成(左図赤)
2)上記テクスチャ素材をパーティクルにアサインし、動きを設定(左図緑)
3)上記パーティクル素材を調整して合成、完成(左図青)
となります。

以下、軽く流し見ていく形で簡単に解説します。



水滴のテクスチャ

"Tex2"が通常の水滴、"Tex1"が水滴が垂れた跡のためのテクスチャになります。
特に解説することはないです。適当に作りました。
今回はAE上で作成していますが、写真素材や手書きで用意してももちろん問題ないと思います。
ちなみに、後々の加工でディテールはほぼ無くなるので、そんなに必死に作る部分ではないでしょう。



パーティクルの設定

今回のメインコンテンツ。
Particular全体の解説はしんどいので、設定項目のポイントとなるアトリビュートのみ解説します。
パーティクルやParticularについての基礎知識がないとつらいかもしれません。

エミッターのベクトルとカメラの設定

(左図はサイドビュー)
今回、水滴(雨の想定)は基本的に上から降ってきますから、基本としては上から下へ向かうベロシティ(初期速度)が欲しいところです。
また、動きのランダムさを出すために、方向は下だけではなく大きく左右に振れている必要があります。
ということで、一般的な考え方ならエミッターの方向を斜め下にし、ランダム幅によって左右への振れ幅を設定すればOKということになります。(左図、緑および青)
ところが、Particularのエミッターはエミットする方向のみを調整することができず、エミッターそのものを回転させる考え方を取っているようで、左図青・緑の矢印の形にエミット方向を設定しようとすると、エミッター本体(プレーン)も傾いてしまいます。(左図赤板)
結果、発生するパーティクルは左図にプレビューされているように、斜めに発生してしまいます。
この場合、当然アクティブカメラでのビューだと、上の方のパーティクルは手前に存在し、下の方のパーティクルは奥の方に存在するというおかしな絵になってしまいます。
この見た目の矛盾の解消のために、今回はアクティブカメラを超望遠の設定にし彼方に置く方法を取りました。
このカメラを通してみた場合、望遠レンズによるパース表現の緩和により、現実には傾いている赤板がピンク板のように圧縮されて見えるようになります。
これにより、画面上部と下部のパーティクルはほぼ見た目上の奥行き差が無くなり、理想的な見た目となりました。


上図左)プリセットの15mmカメラで写したもの  上図右)超望遠カメラで写したもの

動きの考え方

画面についた水滴がゆっくり垂れていくという動きなので、発生時のみベロシティにより大きく動き、後は徐々に下へと落ちていく動きを重力でつけています。
ベロシティの速度については、先述のベクトルの設定により、画面手前に飛んでくるものから画面下へ飛ぶものまで大きく幅があり、それが結果的に見た目上の速度の変化にもつながっています。([VelocityRandom]にも数値は入れていますが)
ベロシティの減衰には[Physics]→[Air]→[AirResistance]を使用します。名前のとおり空気抵抗を発生させるので、徐々に速度が弱まっていきます。
ベロシティは発生時の一回のみ働く力のため空気抵抗によって消滅しますが、重力は持続的に働き続ける力のため、空気抵抗で初期速度が消滅した後も、パーティクルは下に落ち続けます。
後は、タービュランスやスピンなどでランダムな動きを加えていき、パーティクルの動きは完成です。
ちなみに賑やかしのminiの方は、ほとんど重力などを入れず、あまり動かないようにしています。

筋について

Particularはランダムシードによってランダム部分を管理しているため、シード値と各種アトリビュート値が同じならば、完全に動作を再現することができます。
そのため、筋は先に作成した水滴のParticularを複製したものにAUXを追加して作成しています。
色などについては後処理で乗せる前提とし、パーティクル部分は白から黒のグラデになるようにしています。



コンポジット部分

パーティクル素材

先に作成したパーティクル素材を適当に重ねます。
水滴同士が重なる部分の見た目に違和感が生じると思うので、ミディアンでくっつけ、その後ラインライトなどを入れてごまかします。
ここでディテールが消えてしまいますが、別にそんなに気にすることじゃないっぽいです。


ちょっともやっとしてしまうが、はっきりし過ぎていたのが緩和されてむしろいい感じ。かも。

背景と合体とか

レンズブラーを使用しているので、本来ならパーティクル形状の被写界深度素材を作成して利用するのがスマートなのですが、ちょっと触った感じではマスクが綺麗にぼかせないような気がしたので、別々のブラーをエクスプレッションで一括制御する形にしました。
レンズブラーが水滴のみとなったため、結果的にはレンダリング時間の大幅な短縮にもつながっています。(水滴のブラーは一時的なもののため)
詳細は割愛します。

カメラのレンズに当たった水滴という感じにするなら、水滴に緩めのレンズブラーを常時かけておくと、割とそれっぽく見えそうな気がします。手前のレンズ表面に焦点が合うなんて普通はないはずなので。



あとがき

こんな感じでした。
ずいぶん端折った説明になったので、Particular慣れしていない人にはちょっと難しかったかもしれません。
Twitterなどで質問してもらえれば答えますので、何かあればどうぞ。



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10/05/25